新しい龍馬像を求めて
坂本龍馬を題材にしたドラマや映画は、今までにも数多く作られてきました。
そうしたなかで、誰でもがすぐに思い描くことのできる、共通の坂本龍馬像というものが、既に出来上がってしまっているとも言えます。
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NHK大河ドラマ「龍馬伝」は、そういった、既存の坂本龍馬のイメージを考え直すことから始められたそうです。
製作に当たって肝に命じていることは、「わかったような気にはならないこと」だとしています。
「わしはフリーじゃ。」
「世界はこじゃっんと広いぜよ。」
こういったセリフから想像する人間像をもつ龍馬ですが、最初からこういう龍馬であったわけではないはずです。
33年の人生の中で、悩みながら、迷いながら生きていたはずであると考え、リアルで生き生きとした人間像をもつ龍馬を、「龍馬伝」のなかで描きたいとしているそうです。
そのために、龍馬の手紙などの資料をもとにして、新たな龍馬像の研究から始めたということです。
そしてこれは、坂本龍馬像だけでなく、幕末の歴史観にも言えることだそうです。
それまでは、初めて黒船の来航を目の当たりにした人々が抱いた、海外の列強に対して脅威、それによる日本の動揺が描かれることが多かったと思います。
ですが、実際には、弁当を持って小舟に乗り、物見遊山に出かけていった人々が多くいたという史実も残されているそうです。
そこで、当時の人々の本当の気持ちは、脅威と動揺とは少し違っていたのではないかという考えに思い当たりました。
このような、想像力を豊かにすることを大切にしているそうです。
時代の移り変わりとともに、ヒーローとして求められる坂本龍馬像というものも変わってきていると思います。
坂本龍馬の人気が高いのも、龍馬の持つ楽天的かつ豪放磊落でありながら、友情に厚く限りなく優しいというイメージが、高度経済成長期であった、かつての時代が求めるヒーロー像にマッチしていたからでした。
現代は、長引く不況下におかれる状況の中で、若者の多くは、何かに属するということをあまり好まないといわれています。
また、男女の間で壁を作ることはせず、性差の区別をつけることも避けるという傾向にあるそうです。
NHK大河ドラマ「龍馬伝」では、そういう時代の背景に沿った、新しいヒーローとしての坂本龍馬像を作り上げていきたいとしています。
坂本龍馬が生きた時代は、天皇派と幕府派に分かれ、それぞれが殺気立っていた時代ですが、その中において彼は、ほかの人とは違っていたそうです。
人の話は謙虚に聞き、受け入れることのできる、コミュニケーション能力に優れていた人だとされています。
また、女系家族のなかの末っ子として育ったことで、女性との間に壁を作ることがなく、女性の話にもチキンと耳を傾けたといいます。
土佐藩を脱藩したため、何にも属さず、何も背負ってはいなかったという状況も、現代の若者の心に響くのではないでしょうか。
こういった新しい龍馬像にピッタリだったのが、福山雅治さんだったそうです。
福山さんによって、「龍馬伝」のなかで新しい坂本龍馬が作られていくのでしょう。
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